骨伝導イヤホンは、見えない・見えにくい人にとっての拡張現実ヘッドセットになる?

先日、見えない・見える・見えにくい人たちの相互理解を通して社会貢献を実現するNPO法人の忘年会がありました。

さて、その時に私が持参したのが、骨伝導イヤホンでした。家にいる時、事務所で仕事をしている時、ニュースや朗読といった、音楽以外の音声を聴きながら家事や仕事をしたい。そんな時には、外部の音が遮断されないで、外部の音と音声を同時に重ねて聞けるイヤホンがあれば・・・と思ったのが、購入のきっかけでした。

実際に使ってみると、やはり音楽を聴くには音質がかなり良くないですし、伝導させる位置により音質が大きく左右されます。でも、人の声をはじめとした音声を聴くにはそれほど音質を求めませんので問題なしでした。

そこで思ったのが、見えない・見えにくい人たちがスマートフォンを操作する際に使う、iPhoneの「VoiceOver」やAndroidの「TalkBack」など、音声読み上げ機能との相性でした。

最近の視覚障がい者の方たちは、スマートフォンと地図アプリ、ナビゲーションアプリなどを使いながら外出をされたり、音声読み上げとジェスチャーを使って外出されることがよくあります。そんな時、音声読み上げを聴くのにイヤホンを使われていることも多いのですが、耳から入ってくる貴重な聴覚情報が失われるのが問題だなと思っていて、危険が増えてしまうのではと心配でした。片耳のBluetooth イヤホンを実験的に使ってみたりおすすめしてみましたが、やはり片耳が塞がることに変わりはありません。

そこで、骨伝導イヤホンでした。音質や防水性能をそこまで追求しなければ、Amazon で5千円ほどで販売されています。首にかけて、さらに耳にひっかけるタイプですので、外出中でもまず落とす心配がなさそうです。

忘年会で数人の方にご覧いただいたところ、なかなか好評でした。現実の情報を両耳から取り入れた上で、音声読み上げ情報も重ねて聴くことができる骨伝導イヤホンは、見えない・見えにくい人にとってのAR(拡張現実)ゴーグルのような役割を果たしてくれるのではないかと期待しています。

(今現在、私が使っている骨伝導イヤホンへのリンクを貼っておきます)