前置きですが、今日は珍しくちょっとだけ専門的な内容で、やや長くなります。WordPress に興味がない方は読み飛ばして下さい。
12月6日ついにWordPress の最新バージョン5.0がリリースされました。その後も細かいマイナーバージョンアップが続いています。
(このウェブサイトも最新バージョンのWordPress で動いています。)
5.0 では、投稿や固定ページの編集画面と編集のしくみ(=エディタ)が「Gutenberg(グーテンベルク)」というまったく新しい方式に変わります。「ブロック」という概念が導入されたことが最大の変化です。
(この投稿もGutenberg エディタで作成されています。 )
今までのWordPress では、投稿や固定ページを編集する際に「タイトル」と「本文」の2つの要素しかなく、とてもシンプルでした。しかし、5.0からは「本文」の中身が「ブロック」という、より細かい要素で構成されることになります。
本文の中で、「ブロック」をドラッグ・アンド・ドロップで移動させて順番を変更したり、 クリックやタップによるメニュー選択によってレイアウトを一度に指定することが可能になりました。そのため、HTMLが分からなくても、おおまかな編集作業はより直感的にしやすくなったと思います。ただし、ブロック内の文字を細かく操作・編集することはしづらくなくなっています。 また、ブロック内にHTMLコードを書いている場合はコードが消されてしまうのだそうで、その場合は多大な影響が及びます。
今までの編集方法に慣れている方や、文章を自由気まま書きたい方、文字ごとにレイアウトを細かく変えたい方、そしてHTMLを書いている方なら、旧バージョンのエディタを使われる方がよさそうです。旧エディタを使うための機能拡張プラグインがあるので、しばらくは問題ないでしょう(サポート期間は 2021年までだとか )。
その他の機能拡張プラグインは全般的に、5.0 にまだ対応できていないケースも多々あるようです。対応せずに更新が止まるプラグインも出てくるでしょう。新エディタに切り替える場合は、ユーザーへの講習やページの作り直しが必要な場合もあり、バージョンアップのタイミングには今までにない総合的な判断が求められます。
WordPress の進化は凄まじく、5.0で初期のものとは完全に別ものになった印象です。ユーザにとって使いやすいCMSとして多くの方にご紹介し、これまで長い付き合いをしてきましたが、作り直しの手間暇を考えると、WordPressを使い続けることがベターなのか?それ自体の判断も迫られているのかもしれません。
※言わずもがなですが、 グーテンベルクとは世界三大発明のひとつ「活版印刷」を考案したドイツ人の名前から付けられています。
新エディタの「ブロック」とは、活版印刷において活字を集めて固めた「版」のように、文字や図版をひとつのまとまりとして 一度に動かしたり変更する概念だと考えればよいかもしれません
※ウェブサイト作成サービス「Jimdo」もお使いの方なら、Jimdo の「コンテンツ」に相当するものが「ブロック」だと考えればわかりやすいと思います。操作感も似ています。とはいえ、WordPress とJimdoの両方を使っている人は少数派でしょうが。